エアコンのリモコンから見えてきた、UIデザインの気づき

最近、どんどん暑さが増してきて、ついにエアコンをつける季節になりました。私はいつもエアコンをつけるとき、リモコンで操作しています。

ある日、何気なく電源ボタンを押した瞬間にふと気づいたんです。――あれ?文字をじっくり見なくても、これが電源ボタンだってすぐに分かるなって。

改めてじっくり観察してみたところ、電源ボタンだけがオレンジ色で、しかも他のボタンよりも少し大きく作られているんですね。なるほど、視覚的にも触覚的にも、自然と目に入りやすいデザインになっているんだなぁと感心しました。

でも、さらに見ていくと、実は電源ボタン以外にも、温度調整のボタンも他よりちょっと大きいことに気づきました。ただ、それらを電源ボタンと間違えないのは、三角形で「上」「下」と向きが分かれているから。視覚的なヒントがきちんと機能しているおかげで、混乱しないんですね。こういう、よく使うボタンを少し大きめに設計するっていうのは、使い手にとってはすごくありがたい配慮だと思います。操作時のストレスがかなり減ります。

もうひとつ印象的だったのが、「電流切換」や「リセット」などのボタン。これらは意図的にへこんだデザインになっていて、誤って押してしまわないように工夫されているんです。これは本当に「なるほど!」と思いました。

そのほかのボタン――例えば風量調整や運転モード切替など――はすべて長方形で、サイズも統一されています。そして、それぞれのボタンにはちゃんと機能名が記されていて、パッと見てすぐに分かるようになっています。私はこの統一されたデザイン、とても良いと思いました。なぜなら、もしすべてのボタンがバラバラな形や色だったら、かえって直感的に操作しづらくなるし、毎回文字をじっくり読まないと分からなくなってしまうからです。

だからこそ、こういう統一感のあるデザインは、子どもからお年寄りまで、誰でも迷わずに使える優しいUI(ユーザーインターフェース)だなと感じました。

とはいえ、リモコンとしてはよくできていると思うのですが、もしこのリモコンの構造を「ウェブサイトのメニュー」に置き換えるとしたら、少し工夫が必要かもしれません。

たとえば、今のリモコンは文字がけっこう密集しています。実物のリモコンなら物理的に触れられるので、読みづらさはあまり感じないのですが、これが画面上のウェブサイトになると話は別。画面の光自体が目に負担をかける上に、文字が詰まりすぎていたら、さらに読みにくくなってしまいます。

だから、ウェブサイトにするなら、行と行の間に余白をしっかり設けたいと思います。そして、1行を超えるようなメニュー表示は避けたほうがよさそうです。なぜなら、複数行にまたがると、つい前の行と次の行が関連しているように見えてしまい、ユーザーが混乱する可能性があるからです。

ウェブサイトのデザインと、現実のモノのデザインって、一見まったく別物のように思えますよね。でも、実は共通している大事なポイントがあるんです。それは、「人にとってどうすれば使いやすく、心地よく感じられるか」をちゃんと考えること。

だからこそ、日常生活の中でのちょっとした観察が、とても大事なんだなって思います。「これ、なんか使いやすいな」って感じたものがあれば、その感覚はそのままウェブデザインにも活かせるし、逆に「うーん、ちょっと不便かも…」と思ったところは、どうやったらもっと快適になるかな?って考えるきっかけにもなります。

そうやって少しずつ、「一番心地よくて、手に馴染むデザイン」に近づいていけたらいいなと思っています。

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