本の“目次”や“見出し”は、Webサイトのナビゲーションと同じ構造?
知らない街を旅するとき、最初にすることといえば、やっぱり地図を見ることではないでしょうか。本の目次は、その地図でいうところの「全体の見取り図」のようなもの。どんな場所があるのか、どこに行けるのかをざっくりと把握するための手がかりになります。
もしこの「全体図」がなかったら、地図に並んでいる名前が通りの名前なのか、お店の名前なのかも分からず、ちょっと戸惑ってしまいますよね。
見出しは、まるで道路標識のような役割を果たします。標識の文字の大きさによって、私たちはその情報がどれくらい重要かを判断しています。たとえば、高速道路を運転しているときに、すべての標識の文字が同じ大きさだったら、欲しい情報を一瞬で見つけるのはなかなか難しいはずです。
章立てやサブ見出しは、スーパーの案内表示に例えると分かりやすいかもしれません。大きなスーパーに入ったとき、章立ては「飲み物」「生鮮食品」「日用品」などの大カテゴリーとして案内板に表示されていて、サブ見出しは棚にある「お茶」「ジュース」などの細かい分類にあたります。もしこうした表示がなければ、目的のものを探して店内をぐるぐる回ることになり、「もしかして、ここには売ってないのかも…?」と疑いたくなってしまいます。
こういった細かな構造は、本だけでなくウェブサイトのナビゲーションにも共通して見られます。ウェブサイトにおけるナビゲーションは、サイトを訪れた人にとっての「ガイド」のような存在です。ある項目をクリックすると、該当のページに案内される——つまり、どちらも「案内役」としての役割を果たしているわけです。ただし、ウェブのナビゲーションには、目次にはない「インタラクティブ性(双方向性)」が加わっているのが特徴です。
本の全体構造には、「階層的」なものと「線的」なものがあると私は思っています。たとえば、教科書や参考書のような本は階層構造に近く、大きな見出しでカテゴリを示したうえで、さらに細かく分類されていきます。一方、小説などはより線的に近く、目次を見ればストーリーの流れをざっくりと把握できるようになっています。
こうした構造は、ウェブサイトのナビゲーション設計ともとてもよく似ています。多くのウェブサイトでは、特に何もクリックしなくても最初に「ヘッダー」や「フッター」ナビゲーションが目に入ります。これは本でいうところの章立てにあたります。そして、マウスで特定の「章立て」にあたるリンクをクリックすると、その下に展開される「サブナビゲーション」が表示されます。これはまさに、本のサブ見出しと同じような役割を果たしています。もしこうした設計がなければ、人は簡単に迷ってしまうでしょう。情報がどこにあるのか分からず、目的にたどり着けない——それは本でも、ウェブでも、同じことなのです。
結局のところ、本であっても、ウェブサイトであっても、その構造はとてもよく似ていて、しかも非常に重要だということです。この部分の設計がうまくできていなければ——たとえば、視覚的な導線が分かりにくかったり、論理や言葉の構成が整理されていなかったり、ウェブサイトの場合なら、「案内役(ナビゲーション)」がちょうど良いタイミングや場所に現れなかったり——人は簡単に迷ってしまうのです。
0コメント