ドアストッパーについで

百円ショップが登場して以来、生活の中で何か困ったことがあると、つい「何か便利なものがあるかも」と思って百円ショップを覗いてしまいます。しかも、値段もとても安い。

でも、どうしても自分の理想にぴったり合うものが見つからないものが一つだけあります。

それが「ドアストッパー」です。

多くの人は「ただのドアストッパーでしょ?そんなに探す必要ある?」と思うかもしれません。でも、私は気づいたんです。両手いっぱいに荷物を持って帰ってきたとき、防犯のためにドアが自動で閉まるようになっていると、ドアをしっかり押さえないとすぐ閉まってしまいます。しかも、ドアにはそれなりの重さがある。

だから、家に入るときは一度荷物を横に置いて、素早くドアを大きく開けて、急いで自分の体でドアを押さえながら、もう一度荷物を拾って、そのまま素早く中に滑り込む——そんな動作を毎日のように繰り返していました。

そんなとき、ふと思ったんです。

「しゃがまずに、サッとドアを止められるようなドアストッパーってないのかな?」と。

そう思っていた頃、有名な雑貨店・LOFTで見かけたことがあります。

とても強い吸着力で、玄関のドアに取り付けても簡単には落ちない。しかも、両手が塞がっていても、足でちょっと踏むだけでストッパーが下に降りて、ドアがピタッと止まる。使用設計はとても優しい設計でした。

でも……百円ショップの商品と比べると、やっぱり値段が高い。だから、ずっと「百円ショップから似たような商品が出ないかな」と待っていました。でも実際は、百円ショップのドアストッパーは吸着力が弱くて、壁に貼っても、ドアの開け閉めの振動ですぐに落ちてしまうものばかりでした。

この体験を通して、私は「デザインとは何か」を改めて考えるようになりました。

デザインは見た目の美しさや、一見便利そうな機能だけで完成するものではない。

本当に心に残るデザインは、「その使い方をする人の動きや気持ちに、どれだけ想像力を持てるか」で決まるのだと思います。

例えば、手がふさがっているときにどうやってドアを止めるか、しゃがむ余裕があるのか、急いでいるのか。そんな細やかな状況に目を向け、それにそっと寄り添うような仕組みや形こそが、

私にとっての「良いデザイン」なのだと気づきました。

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