カフェの内装や導線についで

私が気分の悪いときによく訪れるのが、押上駅の近くにある「UNLIMITED COFFEE BAR」というカフェです。

値段は少し高めなのですが、こだわりの詰まった一杯が出てくるので、その価値は十分にあると感じています。

お店の照明はやや暗め。でも、足元が見えないほどではありません。入り口には大きなガラス窓がいくつもあって、昼間はやわらかな自然光が差し込んできます。直射日光ではないため眩しすぎず、テーブル席も入口から少し奥まった位置にあるので、とても落ち着いて過ごせる空間です。

内装には木材がふんだんに使われていて、壁はシンプルな白いペンキ。天井にはむき出しの配管や空調が見えていて、まさにインダストリアル風。全体としては上品で、どこかアメリカのレトロな雰囲気も感じさせてくれます。

さらに、このカフェは交差点の角に位置し、席数も少なめでスペースもコンパクト。照明も控えめなことから、窓から外を見れば、スカイツリーへ向かう人々の流れが見えて、まるで「秘密基地」から街を眺めているような感覚が味わえます。

テーブルや椅子も、鉄製のフレームに木目調の天板や座面が組み合わされたインダストリアルデザインで、店内の雰囲気としっかり統一されています。

わかりやすいけど、ちょっと迷うかもしれない動線

店内に入ると、左手すぐにカウンター、右手には奥まで座席が並んでいて、動線は一見シンプル。注文も「左側で行えばいいんだな」とすぐにわかります。

ただ一つ気になったのは、会計の流れがやや複雑なこと。一部の注文は料理の受け取りカウンターを通り抜けて、奥のバーのようなカウンターで支払いをする仕組みになっています。

でも、よくよく考えるとこのカフェはスカイツリーへの通路沿いにあって、外に並ぶスペースがほとんどないのです。もし注文から会計までを一箇所で完結させると、外の通路に人が溢れてしまう。そう思えば、この動線も納得です。

もう一つ、ちょっと戸惑ったのがセルフウォーターのコーナー。実はこのカフェ、食器の返却は不要なのですが、そのセルフウォーターコーナーが返却口っぽいデザインで、初めて来たときにうっかりトレイを持って行ってしまいました。「あ、ここ水だけか…」と気づくのに少し時間がかかりました(笑)。

心地よさと効率を両立する、さりげない工夫

とはいえ、内装の雰囲気や流れる音楽、選び抜かれたコーヒー豆まで、すべてが心地よく、一つひとつの体験を豊かにしてくれます。軽食も用意されているので、のんびりと過ごすのにもぴったりです。

でも、居心地が良すぎるカフェって、つい長居しちゃいますよね。それによって回転率が下がるのを防ぐためか、このお店のテーブルは少し低めで、椅子には背もたれがありません。唯一、カウンター席だけが背もたれ付きのハイチェアです。長く居続けるにはちょっと不向きな設計で、しかも店内も広くないので、自然と「そろそろ出ようかな…」という気持ちになります。

この空間をウェブサイトに置き換えたら?

もしこのカフェの空間設計をウェブサイトに例えるなら、「動線をもっと明確にし、ユーザーが迷わないようにする」ことが第一のポイントだと思います。たとえば、カートや決済ボタンなどの重要な操作は、すぐに見つけられるようにしっかり目立たせることが大切です。

また、空間の「余白」もとても大事。自然光、木材の質感、白い壁、そして暗めの照明が織りなす静かな雰囲気――ウェブサイトでも同じように、適度な余白と柔らかい色合いを活かすことで、ユーザーがリラックスして情報を受け取れる設計にできると思います。情報に押しつぶされることなく、自然とページを移動できるような設計が理想です。

それから、セルフウォーターコーナーを返却口と間違えたエピソードのように、機能の見た目が似ていると混乱を招きやすいということも教訓になります。ウェブサイトでも、ボタンやメニューなどはデザインを工夫し、誤操作を防ぐ配慮が求められます。

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